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冬の感染症を予防しよう

冬は風邪、インフルエンザのみでなく下痢・嘔吐を引き起こすノロウイルスも集団感染の原因として重要です。今回はこの、冬の感染症予防についてお書きしましょう。
 
 まず風邪予防。この時期、クリニックに来られたときに僕を始めスタッフみんなマスクをしていることに気づかれるでしょう。マスクだけでなく、手洗い、うがいもこまめにしてみんな感染予防に躍起です。また、加湿器と空気清浄機がフル稼働していることにも気づかれるかもしれません。ウイルスは自分の体内にもともといて繁殖するわけではありません。人から人へと鼻腔やのどを経由してやってくるのです。だったら、最も重要なことは
@ウイルスを持った人と接触しない。Aウイルスの通路をシャットアウトする。Bついたウイルスをできるだけ排除する。C体内に入ったウイルスの増殖を抑える、という4点です。   具体的には1、感染者のいそうな人込みはできるだけ避ける。2、どうしてもそういった場所に出向くときにはマスクは必携。3、家に帰ったらその都度うがいし、手洗いをする。4、ウイルスの好きな寒冷や乾燥を避ける。
 ひき始め、治りかけの時につい無理をしてしまいがちです。念には念を、暖かくして休むことが最も大事ということを忘れずに。また高齢の方や糖尿病の方など抵抗力の弱い方で、感冒ウイルス・細菌が増殖しやすく、肺炎などの重い合併症を併発してしまうことがあります。風邪を甘く見ないで症状の重症化に注意し、「こりゃいかん」と思ったら当院でもどこでも構いませんので早めに受診してください。
 インフルエンザの予防も風邪のそれと基本的には同じですが、異なる点は予防手段としてワクチンの接種が可能というところです。しかし今冬は例年より半月も早くワクチンがなくなってしまいました。わーっ。もうワクチンはないの、どうしたらいいの?大丈夫。まず、前述した風邪予防をしっかり実践。そうすればインフルエンザもかなり予防できます。そして万が一インフルエンザにかかった、という時も重症化しない方法があります。それは、発症後48時間以内に抗ウイルス薬を使うこと。迅速診断でインフルエンザかどうかは10分内外でわかるようになりましたから、まずは風邪より重症感のあるとき、たとえば熱が39度とか40度でたっていうようなときには早めに医療機関を受診しましょう。
 最後にノロウイルス感染予防。感染性胃腸炎でノロウイルスによるものは集団発生例が多く報告されています。それはこのウイルスの感染力が強く、食品から感染するだけでなく人から人へと感染する場合があるからです。感染経路は主に1、感染した人の便や吐物に触れた場合 2、感染した人の手指や感染した人の触れた器具などに接触した場合。3、感染した人が調理して食品が汚染され、それを食べた場合、です。
 予防としては食品をしっかり加熱すること。特に抵抗力の弱い方は中心までよく火を通しましょう。牡蠣などの二枚貝は加熱して食べる方が安全です。調理する人は調理前、それからトイレ後などには十分手を洗ってください。そのあと清潔なタオルまたはペーパータオルで拭いてください。もちろん調理する人だけでなく誰にとっても手洗いが最重要です。
  糖尿病治療にもいえることですが「予防が最大の治療」であることを再認識いただけたら幸いです。

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