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癌で死なないために 2

前回の「かたくり」ではまず、肺癌で死なないためにどうするのがよいかをお書きしましたが、今回は胃癌についてお書きしましょう。

2,胃癌で死なないために。

胃癌で死なないためには早期に発見することがもっとも重要です。
早期の段階で見つかったこの疾患はほぼ100%完治できるので怖いものではありません。そのため早期発見を目標として地域や職場で検診が行われるのです。検診は患者さんのコスト負担が少なく行えるよいシステムですが、検診車で胃透視(バリウムを飲んで行う検査)を行う場合には、「間接法」という放射線被曝の多いしかもフィルムの大きさの小さい方法で撮る場合があり、この方法によるのだったらちょっと考えものです。折角苦しい思いをして検診を受けてもそれで得られる情報量が少ない、また侵襲は多いというのではどう考えても損です。「間接法」による胃透視を受けるくらいだったら最初から胃カメラ(内視鏡)による検査を受けたほうが賢明かもしれません。胃透視の検査で引っかかったとしたらいずれにしろ胃カメラの検査が必要になるわけですから最初から内視鏡を検診に用いたほうが良いと考えるのは自然です。ただ、内視鏡はご承知のようにかなり苦痛を伴う検査です。僕自身胃カメラを受けて「もう二度としたくない」と思ったものです。結局、楽に胃カメラができればいうことなし、ということでしょう。最近では楽に胃カメラを受けていただけるところがいくつかありますのでそういった施設に紹介状をご希望の方はご相談下さい。もちろん安佐市民病院で胃カメラを御希望ということであれば予約をお取りすることができますので外来時にお申し出下さい。

カメラやバリウムといった検査以外に血液検査での検診としてペプシノーゲン法という方法が行われることがあります。この方法のほうが間接法の胃透視よりも胃癌の発見率が高かったという報告もあります。ただ、まだ保険の範囲内で行える検査ではなく、現段階では実費で行うということにはなりますが当院でも実施可能な検査です。

もうひとつ大事な胃癌予防の手段があります。それはピロリ菌の除菌です。ピロリ菌という細菌が胃の中に巣食っているとしたらそれが萎縮性胃炎の原因となりやすく、その萎縮性胃炎が胃癌の発生母体となるとされています。高齢の方ほどピロリ菌が胃の中に存在する率が高く、(僕自身2年前の検査でピロリ菌陽性でしたので1週間の除菌療法を行いました。)特に今まで潰瘍になったことがある、という方は検査が望まれます。このピロリ菌の検査あるいは除菌治療をご希望であれば外来でお申し出いただければ可能です。

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