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インフルエンザは風邪とは違う

インフルエンザが昨年より早く流行しだしています。
当院でもこの冬既に5〜6名のインフルエンザ患者さんが来られています。学校が始まったらさらに急速に流行が拡大する可能性があります。そこで、インフルエンザについて少しお書きしておきます。

インフルエンザは以前「流行性感冒」と呼ばれていました。そのため通常の「感冒」、いわゆる風邪と混同されがちです。でも風邪とインフルエンザは違います。
まず風邪(感冒)とインフルエンザ(流行性感冒)は、原因となるウイルスが大きく異なります。また症状的にも異なります。皆さんは風邪の症状としてどういったものを思い浮かべますか?多いものがのどの痛み、鼻汁、くしゃみ、咳、痰といった呼吸器症状でしょう。でもインフルエンザではこれらの症状はそんなに強いものではありません。むしろ頭痛、発熱、筋肉痛、関節痛といった全身症状が強く、重症感があります。
以前は高熱とかぜ症状に加え、筋肉痛、頭痛、腹痛などの症状を伴う時にインフルエンザと診断してきました。しかし一般のかぜと重なる症状が多いため診断は確実ではありませんでした。1999年頃から迅速診断のキットが普及するようになり、より正確な診断ができるようになりました。

またその頃から診断と同時に治療法のブレイクスルーもありました。それまでの対症療法(熱や痛みといった症状を抑えるだけの治療)のみから原因療法(ウィルスそのものをやっつける)としての抗ウイルス剤が使用できるようになったのです。

日常よく聞く抗ウイルス薬として「タミフル」がありますが、その他に「シンメトレル」や「リレンザ」といった薬が用いられます。インフルエンザにかかったら安静、保温、水分摂取ももちろん大切ですが、48時間以内に抗ウイルス薬を服用することで症状が劇的に改善する可能性がある、ということも覚えておいていただければ幸いです。

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