糖尿病関連情報

1型糖尿病コントロールのための「3C」

糖尿病に1型と2型があるということが、まだ一般にはよく知られていないようです。
 1型の糖尿病は肥満・過食・運動不足といった環境要因によって起こってくるものではありません。1型の多くは自己免疫疾患です。
 「免疫」は人体の防御機構であり、人を外敵から守るべきその防御機構が何故か自分自身を攻撃してしまうのが自己免疫疾患です。つまり、本来は身を守るための「免疫」が、敵ばかりでなく、味方である自分自身の膵ランゲルハンス島β細胞をやっつけてしまう、そのためにインスリンが出なくなってしまう、それが1型糖尿病です。
(一部に、自己免疫の関与のないものもあります。)
 1型の発症は小児期に多い。そのため、一昔前は「小児糖尿病」とか、「若年型糖尿病」とか、発症してすぐ、治療としてインスリンが必須であることから「インスリン依存型糖尿病」とか呼ばれていました。日本では糖尿病患者さんの100人にひとりもいないと言われています。
 今回はこの1型糖尿病の方の血糖コントロールに用いられる、「3C」と呼ばれる3つのツールについてご紹介しましょう。

 @CSII−インスリン持続皮下注入療法のことです。昔のポケベルよりちょっと大きいくらいのサイズのポンプを用いて、皮下に留置したカニューレ(細い管)から24時間持続的にインスリンを供給するという方法です。一般的に深夜にはインスリンの必要量は少なく、明け方からインスリン必要量が増加する。通常の皮下注射ではそういった生理的なインスリンの分泌動態に対応するのは困難ですが、CSIIなら夜中の何時から何時までは1時間に何単位で、それ以降は何単位で、というふうに細かく調整が可能です。食事の際にもボタン操作で必要なインスリンを投与できます。

 ACGM−血糖を3日間にわたり5分おきに測ってくれる装置によって、1日を通しての血糖値の変動をグラフで見ることができる、そういった血糖モニタリングのことをいいます。やはり3〜4日の間、センサーを皮下に留置し、メモリー装置を携帯しておく必要があります(その間入浴は不可、シャワーは可)。このCGMで一日24時間の血糖を測定することにより、思った以上にダイナミックに血糖値は変化しているのだ、ということがわかります。特に夜間の無自覚な低血糖を検出したり、食事とインスリンのバランスを見たりするのに有用で、それによって得られたデータでインスリン量の調整を行います。

  Bカーボカウント(carbohydrate counting)−血糖値を急激に上昇させるのは、実は三大栄養素の中で炭水化物だけです。ですから食事の際に打つ超速効インスリンは、摂取する炭水化物の多寡によって増減したほうが本当は血糖コントロールがしやすい。食事に含まれる炭水化物を目分量でどのくらいか推定し、それにあわせて超速効インスリンの量を調節する「血糖コントロールのテクニック」がカーボカウントです。

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