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暑い夏はこうやって乗り切りましょう

 いつも口を酸っぱくして言っていますね、水やお茶をしっかり飲んでください、と。
熱中症や、脱水による脳梗塞予防のためにも夏場の水分補給は非常に重要です。
ですから最初、「夏場はこまめに水分補給を」というタイトルにしていました。
でも考えてみると冬場も水分補給は大切です。そのため表題のように変更しました。
今回の「さかえ」6月号(脚注★参照)でも「熱中症予防と紫外線対策」という特集が組まれています。
熱中症は真夏である8月に最も多いわけではなく、厚さにまだ慣れていない7月に多いとされています。
6月でも梅雨の合間に気温が突然上昇したような日には熱中症になりやすいので、今の時期からしっかり暑さ対策をしておきましょう。

1. 暑さを避ける
いくら運動療法が望ましいからといっても、外に出るとアスファルトの上に陽炎(かげろう)が揺らいでいる、そんな暑さの中をウォーキングしなさい、という人はいません。
歩くなら、朝夕の少しでも涼しい時間帯を選んで外に出ましょう。
出歩く際の格好も、直射日光をさけるための帽子や日傘を使い、すこしでも日陰の方を歩きましょう。
服装についても、熱のこもらない風通しのよい涼しい恰好で歩かれるのがよいでしょう。
最近は下着の素材なども工夫がされていて、夏向きのものがよく宣伝されていますが、こういったものもいいですね。
また、家の中でも熱中症は起こりえます。
扇風機が経済的ではありますが、必要な時には、エアコンを使用するのも躊躇しない、というのも重要です。

2. 小まめな水分補給
年齢とともに、「のどの渇き」に対して鈍感になります。
ですから「のどが渇いてから水を飲む」というのでは遅すぎる。
のどが渇かなくても小まめに水分を摂る、というのが正解です。
では、何を飲んだらよいか?いつも言っていますように水やお茶でかまいません。
避けてほしいのが、スポーツ飲料。
タケシ(ポカリスエット)やサッカーの本田選手(アクエリアス)などがコマーシャルで推奨しているから、汗をかく時期にはスポーツ飲料がいいのかな?って勘違いしてしまう。
これらの飲み物には大量の糖分が含まれています。
僕が以前勤めていた安佐市民病院では、こういったスポーツ飲料を毎日多量に飲むことで、急性の高血糖で昏睡になって運び込まれる方が毎年一人二人ありました。
スポーツ飲料は、基本的に、激しいスポーツをする人のための飲物だと思ってください。また、アルコール飲料は利尿作用が強いため、飲んでも出ていく。
熱中症予防の飲物としては不向きだということがお分かりいただけるでしょう。
「夏は麦茶が一番」というのは先人の知恵です。
麦茶はノンカフェインであり、利尿作用がないため、夏の飲物としては最適です。

 それから、特に脱水にならないように注意していただきたい方があります。
それは、この4月から発売になった新薬であるSGLT2阻害薬を内服している方。
新約の名前は「スーグラ」「アプルウェイ」「デベルザ」「フォシーガ」「ルセフィ」というのがそれにあたります。
これらのお薬の作用機序は、(前回の「かたくり」でご紹介したように)、尿中に糖分をどんどん出させる、というものです。
尿糖がどんどん出れば多尿になります。多尿になると、脱水になりやすい。
脱水にならないように、しっかり水分を摂る必要があります。
今まで摂取していたよりも、ペットボトル500mlのペットボトル一本分以上は多く摂取していただくのがよいでしょう。

★糖尿病協会が発行している月刊誌「さかえ」にはためになる記事がたくさん載っています。
糖尿病友の会(かたくりの会)の会員の方に毎月お届けしていますので、入会希望の方は受付に、その旨おっしゃってください。

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